平成25年度 山形県高等学校社会科教育研究会〈巡検〉
米沢工業高校定時制 長岡正宏
平成25年6月12日(水)
【巡検の内容】
《巡検ルート》
まちなかキネマ 〜 山王商店街 〜 昼食
(9:00 −
10:30 ) (10:40 − 11:30) (12:00
− 13:00)
〜 慶應義塾大学先端生命化学研究所
(13:15 −
15:30)
@ まちなかキネマ
「まちなかキネマ」は鶴岡市山王町にあり、昭和初期に絹織物の工場として使われていた建
物を、映画館としてリノベーションされたものです。当時の梁などがそのまま使われているため、独特の雰囲気を持っています。
運営の主体が、「株式会社まちづくり鶴岡」という、商工会議所に加盟する企業が出資し、自治体の出資がない純粋な民間会社というのもめずらしいかもしれません。人的支援は地元金融機関が行っています。
タイプの異なる4つのスクリーンがあり、様々な工夫が凝らされています。壁・床・座席など全館木質で、朝日町のメーカーが作ったものだそうです。各部屋はこぢんまりとしているものの、音質にこだわった設計がされています。
まちなかキネマは、地元とのつながり大切にする様々なイベントを企画したり、お客様の意見を反映させたりと、同じ地区にある、大手映画興行会社と差別化をはかっています。また、映画の半券を周辺の商店街で提示するとサービスを受けられるといった、街を活性化することも大切に考えている映画館です。
座席の間隔はとてもゆったりしています。 木質の柔らかな部屋。
天井の梁も趣があります。
座席は、子どもからお年寄り スクリーンには小さな穴が開いています。これは、裏にスピーカーが
まで分かるように平仮名表記 あり、その音を客席によく響かせることができるようにという工夫。
A 山王町商店街
平成6年から始まった「ナイトバザール」で知られる山王町商店街。ここも全国的な課題となっているシャッター商店街の一つとなっています。しかし、5〜10月の第3土曜日に開催されるナイトバザールの際は、大変な賑わいになるようです。
今回は、商店街振興組合の理事長さんに、案内して頂きながら様々なところを見せて頂きました。
歩道には、ナイトバ
ザール用テントの設
置穴が並んでいる
*山王商店街:http://www.kobaecha.com/sannou/
*菅原イチローヂ商店:http://www.shonai-nippo.co.jp/cgi/ad/day.cgi?p=2011:11:03:4354
〜 ここからは置賜農業・山岸先生から報告して頂きました
〜
B メタボロームキャンパス(鶴岡市先端研究産業支援センター)
隣接する慶應義塾大学先端生命研究所の冨田勝所長のお話を伺いました。メタボローム解析という、代謝物質(唾液などからも)を包括的に成分分析にすることよって、ガンに特有の物質をいち早く発見することができるというお話や、クモの糸をバイオ技術によって、バクテリアを利用して合成し実用化していくというお話、油をつくる藻類の研究など興味深い先端研究のお話を伺いました。また、人づくりや学問について、知りたいという研究を通して人は育っていくというお話をお聞きしました。
※富田勝所長は、世界的に有名なシンセサイザー奏者(先駆者)冨田 勲 氏のご子息とのこと、さすがにコンピュータを駆使した研究に進まれたことも納得です。
その後、慶應義塾大学先端生命研究所内を見学させて頂きました。この研究所の各所にセキュリティチェックポイントがありました。写真はメタボローム解析を行う機器が何十台も並べられた部屋の様子です。世界一の規模の研究施設とのことです。一台で何千万円だそうです。煙突のようなところを分子が漂いコンピュータによって解析が行われるそうです。多くの研究室とともにサーバ(コンピュータ)が立ち並ぶ部屋もありました。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO55429530U3A520C1TJ1000/
C おまけ
(1)慶應義塾大学先端生命研究所 敷地内(山岸先生より)
研究所の外には、外来種の茎の長いタンポポがゆれていました。置賜地方でも、このごろよく目にします。茎の長さが20〜30pもあります。
(2)鶴岡市内の入り口に…
(長岡)
今回の総会の記念講演で、鶴岡市にあるイタリア料理店「アル・ケッチャーノ」の奥田政行シェフからお話をお聞きしました。独創性が高い料理は、『世界の料理人1000人』に選ばれるなど、世界中から高い評価を得ています。その反面、奥田シェフは地元・庄内の豊かで優れた食材を大切にし、それを生かした料理を作っていらっしゃいます。
そんな奥田シェフから様々なお話をお聞きし、これまでの取り組みや考え方に、大変感銘を受けました(以前、ap bank fesで音楽プロデューサーの小林武史氏との対談でも興味深いお話をお聞きしたことはあります)。しかし、残念ながら一度も「アル・ケッチャーノ」には行ったことがありません。ということで、せめて外観だけでも拝ませて頂くために、会場へ向かい途中でのぞかせて頂きました。いつか、機会があれば食事を…。
↑「アル・ケッチャーノ」と、その隣にある「イル・ケッチャーノ」