平成25年度 置賜地区高等学校社会科教育研究会巡検

 平成25年7月10日()  白鷹町内

  

【巡検ルート】

 荒砥高等学校  〜  白鷹町文化交流センター「あゆーむ」  〜  荒砥駅

  〜  「岡の台ごんぼ」栽培畑  〜  深山和紙振興研究センター  〜  蔵高寺

  

@  白鷹町文化交流センター「あゆーむ」

山形県の県花としても知られる「紅花」は、白鷹町が生産量が日本一だそうです。そんな紅花は、この巡検の時がちょうど見頃ということでした。「あゆーむ」では、紅花染めの体験ができるため、今回挑戦させて頂きました。

   紅花の花びらを水にさらしたり乾燥させたりして、「紅餅」を作ります。これが染料のもとになります。

   

                         「紅餅」:300輪の花で約4g

     

まずは、デザインを考えます。輪ゴムや割り箸を使って、押さえたところが白く残ります。

 

  

 アルカリ液で赤い色素を出します 布を揉み込み色をつけていきます  完成(早川先生の作品)

 ※紅花染めのトリビア

   *紅花の生産量は、約100kg(江戸時代には120180tあったそうです)

    →多くは、中国産(安価で量も多い)のものが流通しているそうです。

 

   *山形産の紅花から作られる「紅餅」は33,000/kg(中国産は約1,600/kg)

 

   *花笠音頭で使われる「花笠」に付いている赤い花は、「紅餅」をイメージしている。

 

 

A  荒砥駅

当初、予定にはなかったのですが、地理部会の新・長老である幸司先生の達ての希望で荒砥駅を訪問しました。以前、県高社研大会を西置賜で開催した際、フラワー長井線に乗車して荒砥駅・車両基地を見学させて頂いたことがあります。今回は、そのとき以来(部会としては)の訪問です。

 

  駅舎は比較的新しく、駅の中には、ちょっとした民族資料館も併設してありました。

 

 

B  「岡の台ごんぼ」栽培畑

 白鷹町畔藤(くろふじ)にある「岡の台」という地区で、50年ほど前に栽培されていたのが『岡の台ごんぼ(ごぼう)』という伝統野菜です。しかし、その後栽培されなくなりました。そんな中で、10年ほど前から地元の有志が集まり、資金を出し合って栽培を始めました。

 今回は、生産者の方から実際の畑を案内して頂きながら、お話をお聞きしました。

  

大変興味深いお話の連続で、充実した時間でした。  一番の敵は雑草です   R287にある目立つ看板

 

※参考資料(岡の台ごんぼを紹介した記事)http://www.yynosai.or.jp/kyosai/post-87.html

 

 

C 深山和紙振興研究センター

  昼食後、深山(みやま)地区に移動しました。ここは、国指定重要文化財になっている、深山観音などもあります。今回お邪魔した深山和紙振興研究センターは、10数年前にも一度地理部会で訪問しているところです。今回は、和紙の歴史や深山地区と和紙の関わりなどをお聞きしながら、紙漉の体験もさせて頂きました。

  昔は、冬の間の女性の作業ということで、寒さ・冷たさに耐えながらやっていた苦労話などをお聞きしてきました。

 

和紙についての基礎知識をお聞きしました   プロの技は「さすが」の一言。スムーズな作業です。

 

 

部会最年少の伊藤先生は、なかなか苦戦中    経験者でもある部会の長老は、腰の入った動き

※深山和紙振興研究センター:http://www.town.shirataka.lg.jp/dd.aspx?menuid=1366

 

 

C  蔵高院

  最後は、黒鴨地区にある蔵高院さんを訪問させて頂きました。こちらのお寺の即身仏を参拝させて頂きたいと思っていました。

  山形県は、現存する即身仏の数が全国で最も多い(全国16体中山形8)のです。出羽三山信仰に関係していると思われ、庄内地方が特に多くなっています。その中で、今回参拝させて頂いた蔵高院は、現在、無住寺となっていて事前に予約をしての参拝となりました。こちらにお邪魔させて頂いた頃には、雨脚が強くなってきていましたが、三浦住職に来て頂き、お話をお聞きすることができました。

  即身仏になっている「光明海」さまのこと、この地域の歴史のこと、ご住職の経験や生き方の中から感じられたことなど、様々なお話をお聞きすることができました。社会科の教員として、単に即身仏を見せて頂いたというだけでなく、それぞれの先生方が多くのことを感じられたのではないかと思います。

 

718日の豪雨で蔵高院の前を流れる川も氾濫し、この地区も断水等の被害が出たようです。

 

 

D  おまけ

(1)  フラワー長井線

フラワー長井線が荒砥駅に到着する直前に、最上川を渡ります。ここに架かる橋が『最上川橋梁』です。この橋は、もともと東海道本線に架けられたものを、大正12年に移設したものだそうです。100年以上もの間現役として活躍しているこの橋は、2008年に「近代土木遺産」に選ばれました。

長井葉山をバックに、最上川橋梁をわたり、荒砥駅をめざすフラワー長井線

 

    フラワー長井線は、もともと国鉄長井線でした。荒砥駅で止まっていますが、実は左沢線(こちらも左沢駅で止まっています)と結ばれる予定でした。大正時代、養蚕や木材などの産業が盛んだったことから、仙台〜山形〜新潟という東北を横断する鉄道を敷くことに注目が集まっていたようです。左沢と荒砥間は「左荒線」として計画されながら、結果的に実現することはありませんでした…。

 

() ドレみそごんぼ

    岡の台ごんぼを使って、白鷹町にある味噌屋さんが『ドレみそごんぼ』という商品を販売しています。実はこの商品、「ひよっこ料理人」という漫画に登場しているそうです。

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