平成24年度 第1回 置賜地区地理部会〈巡検〉
米沢工業高校定時制 長岡正宏
平成24年7月10日(火)
【巡検の内容】
県立高畠高校 〜 高畠高校実習畑 〜 高畠高校実習果樹園
有機農業の説明 〜 瓜割石切場 〜 旧高畠駅 〜 高畠高校
@高畠高校実習畑
高畠高校は単位制総合学科であり、60を超える選択科目があり、多様なカリキュラムを作ることができるそうです。今回は、まず始めに学校の特色などについて説明をして頂きました。
そして、その中でも我々地理部会では、『有機農業の社会』という科目に関心を持ったことから、その授業内容について、見学をしながら説明して頂くことになりました。
高畠駅近くにある実習畑に移動し、実際に作物を栽培している様子などを見学しました。高畠高校は普通高校なので、農業専門の先生はいません。
この『有機農業の社会』という科目は、地歴公民科に設定されているため、地歴の先生が主に担当しているそうです。
別の畑では、炎天下の中ジャガイモの土寄せをしていました。もちろん女子も鍬を持って。
A高畠高校実習果樹園
高校から少し離れたところに実習果樹園があります。元PTA会長さんのラ・フランス畑を使わせて頂いているようです。
この日は、果樹の袋がけ作業をしていました。袋がけをなぜするのか…
*害虫や病気の被害から守るため。
*雹(ひょう)の被害から守るため。
*農薬を少なくできる。
などの理由があるそうです。炎天下の中、担当の生徒たちは、ひとつひとつ丁寧に袋がけ作業をしていました。写真でも分かるように、実がなっている高さが、ちょうど手を伸ばしたくらいですので、脚立を使わずに作業をすると、かなり大変な姿勢であることが分かります。ラ・フランス農家の方々も、このような苦労をされて作業していらっしゃるのかと思うと、頭の下がる思いでした。
生徒たちは、炎天下の中でも淡々と作業をしていました。
B有機農業をされている農家の方からのお話
こちらも高畠高校の元PTA会長をされた方のお宅を訪問し、ご自身がやっていらっしゃる有機農業などについてお話をお聞きしました。ユーモアを交えながらのお話は、大変分かりやすく有機農業について認識を新たにする部分もありました。
作業小屋でお話をお聞きしましたが、天井には絶滅危惧種とも言われるツバメの姿が…。
C瓜割(うりわり)石切場
高畠町では、古くから凝灰岩が産出され、高畠石というブランドで知られていました。大谷石(栃木県)や房州石(千葉県)、秋保石(宮城県)と並んで、様々な石材に使用されています。町内には、この瓜割石切場を含めて9つの主要な石切場があります。ただ、現在は全ての石切場で職人さんがおらず、実際の石切は行われていないそうです。ここでは、地元石材店の社長さんに説明をして頂きました。
大正12年から始まった石切場は、もともと個人の山だったそうです(現在は町が所有している)。機械を入れてはいけないということで、ずっと手ぼりで石切が行われてきました。昔は、若い人であれば1日3本、70代くらいの人であれば3日で1本というペースだったそうです。1本15,000円というのが相場で、昔は高畠石10本=米1俵と交換できたそうです(今の相場では考えられない交換です…)。
現在は、「瓜割石庭公園」として整備されており、野外コンサートやバーベキューなどを楽しむことができる施設となっています。
採石場跡を見ながら、説明を聞きました 中には機械で掘った時の跡が無数ありました
切り出した跡がしっかりと残っています
これだけの高さがあると、迫力があります 採掘跡には野外音楽「洞」もあります
このサイズで1本15000円。10本で米と交換
高畠石でできている旧高畠駅駅舎 実際に走っていた列車も静態保存されています