平成23年度 山形県高等学校社会科教育研究会(米沢会場)
平成23年6月7日(火)
【総会・講演会】
今年度は、総会担当が置賜地区で米沢が主担当となりました。昨年度より、地区事務局の米沢中央高校が中心となって準備をすすめ、東京第一ホテル米沢を会場にして、開催することになりました。
地区事務局長が公平先生、県事務局長が齋藤先生と、今回の高社研の重要な部分を、我が置賜地理部会のメンバーが担当して下さっていることに、大変誇りを感じました。
県高社研会長のご挨拶 総会の様子
総会終了後には、山形大学工学部・工学部長の大場好弘先生より、
『有機エレクトロニクス産業創出で米沢から日本を元気にする』
〜無機“シリコン”から有機エレクトロニクスへ〜
という演題で、ご講演を頂きました。
上杉の城下町として知られ、NHK大河ドラマ『天地人』で直江兼続が取り上げられるなど、歴史の街というイメージが強い米沢ですが、その反面、山形大学工学部の前身である「米沢高等工業学校」で、日本初の人造絹糸開発に成功。近年では、シリコンエレクトロニクス技術による、世界初のノートパソコンや、有機エレクトロニクス技術による、世界初の有機EL製品が、米沢の地で誕生しています。さらに今後は、有機エレクトロニクス分野が、本格的な産業化に発展することが期待されています。今回の講演では、このような点について、大変興味深いお話を聞くことができました。そして、このお話を受けて、翌日の巡検で実際に研究の様子を見ることができたのです。
また、大場先生の講演終了後には、工学部副学部長の高橋先生より、翌日の巡検の見どころについてのご説明があり、至れり尽くせりの講演会となりました。
大場好弘先生のご講演 高橋辰宏先生の見所紹介
【分科会 〜地理部会〜 】
今年度の研究発表担当は、飽海地区でした。『庄内地域を題材とした地域研究を中心に』というテーマの下で、7人の研究員の先生方から発表がありました。
大きく分けて、「ランドマーク」の点で2名、「酒田の土地利用(中心商店街含)」の点で2名、その他「通信制高校における地域研究」「高速道路の無料化」「立谷沢川流域」といった点で、それぞれ1名ずつの先生方から発表がありました。時間の経過を忘れてしまうほどの熱い研究発表と質疑が行われ、大変有意義な研究発表会となりました。
飽海地区の先生方は、新高校の準備などで大変お忙しい中でしたが、どれも素晴らしい発表だったと思います。ありがとうございました。
平成23年6月8日(水)
【巡検】
《巡検のルート》
東京第一ホテル米沢 〜 春日山林泉寺〈直江兼続などの墓所〉
(9:30発) (9:40-10:10)
〜 山形大学工学部〈100周年記念会館・有機エレクトロニクス研究センター〉
(10:15-11:30)
〜 昼食〈上杉城史苑〉 〜 サクサテクノ株式会社 〜
(11:40-12:40) (13:00-13:45)
産学官連携有機エレクトロニクス事業化推進センター 〜 東京第一ホテル米沢
(14:00-15:00) (15:30着)
@
春日山林泉寺
米沢藩の基礎を築いた直江兼続と、その正室・お船の方の墓石が立ち並ぶ寺院です。山形大学工学部キャンパスのすぐ隣にあります。
本堂前で公平先生より説明 左:直江兼続 右:お船の方
←の写真のように、この地域独特の“社”の形をした墓石があちこちに見受けられました。背後には田園地帯と、分譲中の林泉寺ニュータウンが広がっていました。
A 山形大学工学部
山形大学工学部では、始めに最近の工学部の状況等について説明をして頂き、その後、実際に校内を見学させて頂きました。特に、有機エレクトロニクス研究センターは、有機ELや有機太陽電池、有機トランジスタといった部門について、それぞれの卓越研究者の下で研究が行われています。
B サクサテクノ株式会社
情報・通信機器の製造などや、プリント基板の組立といった事業をおこなっている企業です。こちらでも、会社に関する説明をして頂いたおと、工場の見学をさせて頂きました。
C 産学官連携有機エレクトロニクス事業化推進センター
最後の見学地となりました。こちらは、県と市、大学、民間企業(産学官)が一体となり、主に有機ELに関する事業について研究を行っています。今回は、照明実験室などを見学させて頂きました。